【書評】『影響力の武器:なぜ、人は動かされるのか』 ロバート・B・チャルディーニ

自分と他人に行動に影響力を与える種々の原理について

 

●返報性の原理

・非常に強い力を持っている

・望みをしない厚意を受けたときにも適用される

・不公平な交換を助長する効果がある

●一貫性とコミットメント

・人は自分の言葉、言動に一貫性を持とうとする

・自分の意見、立場を一旦明確にしてしまうと、それに抗うことが難しくなる

●社会的証明

・人は他人を模倣しようとする傾向がある

・状況が不確実なとき、自分に類似しているときに強い作用を持つ

●好意

・人は好意を持っている人に対してイエスをいう傾向にある

・身体的魅力が想像以上に有利に働く

・単純接触効果が効果を持つ

●権威

・権威からの要求には従ってしまう傾向がある

・肩書き、服装、自動車といったシンボルに権威を感じてしまう

●希少性

・機会を失いかけると、その機会をより貴重に感じてしまう

・新たに希少になったとき、人と競争しているときにより希少性の影響力が高まる

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自分/他人、社会にどのような影響力の原理が働いているのか知りたい、応用したい、その影響力から防衛したい、という方にオススメ

【書評】『ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代』 アダム・グラント

オリジナルな人→自分のビジョンを率先して実現させていく人

●どうすればオリジナルな人になれるのか?

・徹底的にリスクを避ける

・多くのアイデアを生む

そのアイデアの中でどれが素晴らしいアイデアなのかは自分では判断が難しい。同業者の意見を参考にすべき。経験がない場合は直感に頼るべきではなく、また、熱意が見せかけなのかどうかを十分に見極める必要がある。

・戦略的に先延ばしにする

 

●強い集団となる為には

シリコンバレーの200以上の会社の創業者にどんな組織を思い描いていたか、①専門型、②スター型、③献身型の3つについてアンケートをとった。献身型モデルが一番成功していた。

強い文化を作り上げる為には、多様性をコアになる価値観の1つに据える必要がある。

 

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自分のオリジナリティに悩んでいる人、これから何かを為していきたい人にオススメ。

RRTの導入をどこまで遅らせることができるか

Comparison of two delayed strategies for renal replacement therapy initiation for severe acute kidney injury (AKIKI 2)

Lancet. 2021;397:1293-1300

最近の研究(AKIKIなど)では早期にRRTを導入しても必ずしも死亡率は改善せず、むしろ早期の導入はより合併症を増やすことにつながっていた。しかし、どこまでRRT導入を遅らすことができるかははっきりしておらず、以前のAKIKI studyよりも導入を遅らせることができるかを調べたRCT。AKIKI2 study。

P:ICUにおいて人工呼吸器もしくはカテコラミン使用患者。KDIGO stage3。72時間以上の乏尿/無尿orBUN112-140mg/dl。

I:more-delayed strategy

許容できない高K、代謝性アシドーシス、肺水腫が見られるか、BUN140mg/dlで導入。

C:delayed strategy

割付け後に導入。(AKIKI study)

O:28日後までのRRT-free days。

 

2つのstrategyにおいてRRT-free daysに有意差は認めなかった。(delayed strategy :12 days [IQR 0–25]) /more- delayed strategy :10 days [IQR 0–24]; p=0·93 )。実際にRRTを施行した患者数はdelayed strategyで134/137人、more-delayed strategyで111/141人。